第7章 ショコラ scene5
明日は朝から幸雄さんとチーフが来てくれて、雅紀に憑いてる人と対話をする予定だ。
チーフはお手伝いと状況確認だそうだ…
離れてもらうことができたらいいけど、それがだめならせめて雅紀を前に出してもらうよう抑え込むか…
でもそれができるのって、行長先生だよなあ…
形代を身につけて、一体幸雄さんにどこまでできるんだろうか…
そんなことを考えながら、さっきちょっと雅紀が汚しちゃったトイレの掃除を終えた。
リビングに戻ってみたら、雅紀はソファの上に起き上がっていた。
「雅紀?起きたのか」
中身の人の名前なんてわからなかったから雅紀呼びするしかない。
声を掛けたらこっちを見上げた。
「…かあさま…?」
「えっ…?」
「かあさま!」
びょんっとソファから跳ね起きると、俺に向かって突進してきた。
「おおっ…」
「かあさまっ…」
どすんとすごい勢いで抱きついてこられて、リビングのドアに強か背中を打ち付けた。
「ぐあぁ…」
ぎゅうううと抱きしめられて、息が止まるかと思った。
「ぐるじい…」
「かあさまぁ…」
「わがっだ…わがっだから…」
ずるずると床に座り込んで、雅紀の気が済むまで抱きつかれていた。