第7章 ショコラ scene5
幸雄さんは、行長先生ご夫妻が年を取ってからのお子さんで。
それに特殊な能力を持っているということもあって、あまり同年代の友人はできないそうだ。
「年長の…教授とかのほうが話が合うんですよね…僕…」
また苦笑いすると、雅紀に向かって微笑んだ。
「だから…皆さんの絆というか…凄く僕、憧れるんです…」
「そんな…」
そんないいものばかりじゃないんだよ…?
俺らだって、人間なんだから…
「櫻井さん…わかってます。でも…いいじゃないですか。僕は皆さんのことが好きですし、力になりたいんです。それに…」
にやっと笑うと、手でお金マークを作った。
「今回の件、無事にやりきったらバイト代出ますんで」
「ぶっ…」
「バイトしないと、生活できないんですけど…向こう一年のバイト代にはなりそうなくらいは貰えそうなんで…」
「ええっ…そんなに…?」
その手のまま、雅紀にべろべろばーをしてくれた。
「…ですから、安心して任せてもらえませんか…?」
…そこまで言われたら、お任せするしかなかった。
それに、他に方法はなさそうだったし…
「よろしくお願いします…」
「全力で、がんばります」
ペコリとお互いに頭を下げた。