第7章 ショコラ scene5
幸雄さんに学校を休ませてまで、負担の掛かることをお願いするのは気が引けた。
だって、ああいうのって凄く体力を使うだろうし…
「…櫻井さん…」
「はい…」
「こうなっては、僕が代わりをさせていただくのが一番だと思うんです」
「でも…」
「僕は…以前の松本さんの件のとき、皆さんの事情はあらかた把握させていただいてます。それに父と母の仕事のことに関わってくるので、秘密は絶対に外に漏らしません」
「幸雄さん…それは信用してますよ?」
今までだって、外にもれなかったんだから…
「ありがとうございます。それに…」
にこにこと、幸雄さんは俺と雅紀を交互に見た。
俺が抱っこしたままの雅紀に向かって、あばばばばば~とやると、きゃっきゃと雅紀が笑う。
「僕は、皆さんのことが好きです」
「えっ…」
「あっ!あの、あれですよ…そういう意味じゃなくって…」
真っ赤になってうろたえる幸雄さんは、ちょっとかわいらしい。
「あの…なんでしょうね…あの時の皆さんの姿を見ていて…本当に素晴らしい仲間だなと…感激しまして…」
年上の方に言うことじゃないけどって、幸雄さんは笑った。
「僕にはああいう友達や仲間がいないから…憧れます」