第7章 ショコラ scene5
怒ってないよ~って笑ってる顔を見せたら、泣き止んだ。
「参った…まじで、雅紀に移ったんだ…」
雅紀は俺の腕の中でもがもがしてる。
「…産んじゃったのかな…俺…」
あの痛みって…出産の痛みだったのかな…
「ってオイ!なんで俺がっ…」
ひとりでツッコミを入れてる俺を、雅紀はまんまるな目で見てる。
「…そんな目で見るな…」
「ふぇ…」
「あーっあっ…べろべろばーーーーー!」
なんとか泣かないようにあやしてると、幸雄さんが寝室に入ってきた。
「…やっぱり…」
「幸雄さーん…」
「相葉さんに、移ってしまいましたね…」
雅紀がきゃっきゃと笑いながら、俺と幸雄さんの顔を交互に見てる。
「あの…櫻井さん…」
「はい…なんでしょお…」
もう脱力して力が入らない…
どうしてこんなことになるんだ…
「父も母もこちらに来ることができませんし…僕があの形代を着て、父の代わりをするということでもよろしいでしょうか…」
「ええっ…でも、幸雄さん学校…」
「ええ…そうなんですけど…あの、日曜になにか大きなお仕事があるんですよね…?」
「あ……」
「どうしても外せないということを父から聞きました」