第7章 ショコラ scene5
「だってさぁ…翔ちゃんの姪っ子ちゃん、可愛かったなあ…」
「うん…」
「うちの甥っ子たちだって負けてないけどさ…やっぱ、翔ちゃんのお腹にいるとさ。俺たちの子だぁって感じがする…」
「いや、雅紀…?」
「気分!気分だからっ…!」
「でもなあ…」
「だって!先生は悪いものじゃないって仰ってるし…それにまだ、わからないじゃん?なんで翔ちゃんの中にいるのか」
「…まあ、そうだけどさ…」
「そもそも、どっかで本物さん貰ってきたの、翔ちゃんだし?」
「う…」
ぐうの音も出ないとはこのことだ。
「だから、それがわかるまでは…ね?」
「雅紀…」
そっと、俺の腹に手を乗せた。
愛おしむように、ゆっくりとその手は俺の腹を擦った。
いつもだったら、こういう時…子犬みたいな顔して俺の顔色を見るんだ。
でも、今の雅紀は…
穏やかに微笑んでる。
決して浮ついた気持ちじゃない
ただほんの少し、俺たちに与えられたこの時間を楽しもう
そう思ってるように感じた。
「…わかった…」
ため息を付きながら、雅紀の手に自分の手を重ねた。
「翔ちゃん」
ぱあっと嬉しそうに。
ひまわりの花みたいな笑顔が溢れた。