第7章 ショコラ scene5
「さっさとって…ひどくない?言い方…」
「うん…」
あれから、速攻で家に返された。
とりあえず、雅紀がキッチンであったかいものを入れてきてくれるっていうから、その間俺はリビングでブチブチ言ってた。
雅紀は複雑な顔で、俺にマグカップを差し出してきた。
「ありがと。…好きで妊娠したわけじゃねえっつーの…」
「翔ちゃん…」
はっと見上げると、立ち尽くしたまま泣きそうな顔をしていた。
「あっ…いや、違うんだよ?雅紀」
「ごめんね…俺が中出ししちゃったから…」
「違う違うって…ああ…もおお…」
「俺っ…ちゃんとするからっ…」
どすんと俺の横に座ると、ぎゅうって抱きしめられた。
「わあっ…溢れるっ…」
持ってたマグカップから、危うくココアが溢れるとこだった…
そっとカップをローテーブルに置いた。
「あ、ごめぇん…」
「いや、いいけど…もお…そんな責任感じるなってば…」
「でも翔ちゃん…偶然かもしれないけどさ…」
「もお!そおやってなあ同情すると…」
「違う!同情とかじゃないよ?そういうんじゃないんだ…」
そっと俺の腹に手で触れた。
「そういうんじゃないけど…でも、そういう気分にちょっと浸ったら…だめ?」
「雅紀…」
「だってさ。俺も翔ちゃんも、一生味わえないじゃん?」
「もお…バカ…」