第7章 ショコラ scene5
「つわ……え?つわり?」
「うん…」
楽屋がシーンとした。
「だって…なんかさ…これ、あかちゃん?みたいな形してる…」
智くんは真顔で俺の腹を見ている。
「は…?」
「病院、なしで」
ニノが俺のマネージャーに言ってる。
「え…でも…」
「いいから。これ、どう考えても、本物さんの影響だよね?」
ニノが弁当箱を置いて、智くんの隣に座り込んだ。
「本物さん!?」
雅紀がびっくりした声を出して、潤を押しのけて俺の横に腰掛けた。
急いで腹に触れると、びくっとした。
つられて俺もびくっとした。
「やば…」
「え?おまえもなんか感じるの?」
「いや、今…動いた」
「ええっ…」
「ちょ、まじで?」
潤もソファの後ろに回って俺の腹に手を置いた。
またびっくりして腹に力が入った。
「あ…ええええっ…」
「えっ…えっ…なんだよおっ」
「なんだっけ、これ。ほら…胎動っていうの?」
「ちょ、ちょおっ…」
また楽屋がシーンとした。
マネージャーたちも、呆然と俺を見てる。
「櫻井さん…チーフに連絡しますね…」
「いや、待て…だって、行長先生は今仙台で…」
「そうだよ…チーフに連絡したとこで、どうにもならないよ…」
雅紀が髪をぐしゃっとかきあげた。