第7章 ショコラ scene5
「なにどうしたの?」
潤が楽屋に入ってきた。
買い物にでも行ってたらしい。
「翔ちゃんがまた…」
智くんが答えると、潤は駆け寄ってきた。
「大丈夫なの?」
「ああ…吐くだけ吐いたらすっきりした」
「そ…ノロとかじゃないよね?」
「昨日、病院では違うって言われた」
「そっか…」
ちょっと思案顔をしてから、コンビニ袋からなにか取り出した。
「これ、飲む?」
パックに入ったゼリー飲料だった。
「ああ…助かる…」
今は、食べ物の匂いを嗅ぎたくなかった。
「あとでもらうよ…」
「うん…わかった」
それだけ言うと、疲れて目を閉じた。
「うわっ…」
突然、腹になにか触れてびっくりして目を開けた。
「やっぱり…ね、翔ちゃんこれ、膨らんでるよ?」
智くんが床に座り込んで、俺の腹を触っていた。
「え?え?」
「もしかして…」
ニノが弁当の箱を持って立ってる。
「ねえ、翔ちゃん。これ、匂いかいでみて?」
「え…なんだよ…」
「いいから、ね?」
弁当箱を近づけてくるから、起き上がって匂いを嗅いでみたら…
「うっ…」
思わずまた吐き気がこみ上げてきた。
「やっぱり…」
「うっぷ…なんだよぉ…」
「…つわりじゃね…?」