第7章 ショコラ scene5
じんわりとした下腹部の痛みは、トイレに行ってからも続いた。
「まだ痛い…?」
「ん…」
「なんか、手が冷たいから、ホッカイロでもあてる?」
「おう…そうすっか…」
スエットに着替えて、雅紀のくれたホッカイロを腰に当てたら、だいぶましになった。
「鎮痛剤でも飲む…?」
「ああ…そうしようかな…」
「じゃあ、なんか作るね!」
リビングのソファで俺を寝かせると、雅紀はちゃちゃっと雑炊を作ってきてくれた。
日が傾いて、もう夕方になろうとしていた。
「こりゃ、晩飯だなあ…」
夜中腹が減ったらどうしようなんて思ったけど、今日はもう雅紀も仕事もないし、またなんか作ってもらえばいいかと思った。
「ごちそーさま」
「はい。お粗末さまでした」
「ね。雅紀」
「ん?」
「なんか、甘い物ない?」
「甘い物ぉ?珍しいね。あ、いいものあるよ!」
食器をキッチンに片付けに行って、なんか手に持って帰ってきた。
「ガトーショコラ!」
お皿に乗った、黒い物体を差し出してきた。
「ロケで頂いてきたの。美味しいから食べて食べて」
ニコニコと俺の隣に座ると、フォークで切ってあーんしてくれた。
口の中に入れると、ほろっとチョコレートが溶けていくようだった。
「おいふぃい」
「ふふ…よかった」