第7章 ショコラ scene5
大阪のコンサートが終わって、東京に戻った。
その間、潤の護符のお陰かなんにも起こらなくて。
身体もだるくなることはなかったし、雅紀も俺に異変を感じることはなかった。
智くんだけは、時々怪訝な顔をして俺を見てたけど…
でも、やっぱりはっきりとは見えないんだって言ってた。
なんか、米粒みたいなものが見えるんだって…
なんなんだ…?
「ほう…大野さんがそう言われましたか…」
「ええ…」
戻った日、その足で雅紀と二人で行長先生のお宅を訪ねた。
俺は夜に生放送があったが、雅紀は休みだからついてくるって聞かなくて。
休んでろって言ったのに…
「先生、俺、なんにも感じない…」
雅紀が隣に座って、ソファの座面の布をイジイジしている。
「ぶっ…」
行長先生はちょっと吹き出して、口に手を当てた。
「ごほ…いや、相葉さんが感じないのはしょうがないですねえ…」
「え?」
「本当に…今は、微かなんです」
「先生でも難しいの…?」
「そうですねえ…」
そう言って行長先生は目を細めた。
「よく大野さんはこれが視えましたね…と感心してしまいます」
「へえ…そんなに…」
「跡取りになって欲しいくらいですよ」