第7章 ショコラ scene5
「で、翔ちゃん…どうなの…?」
「ん?」
隣に座ってる雅紀が真剣な顔で、俺のシャツの裾を掴んだ。
「体…大丈夫…?」
「ああ…前みたいにだるいとか、そういうことは一切ないんだ…だから、あんまり俺も実感がないっていうか…」
美々子さんの生霊に憑かれた時は、もっとしんどくて、もっとキツかった。
だけど今は、何かに憑かれていると言われても、なにも感じずいつもどおりだった。
「翔ちゃん…」
「大丈夫だって…そんな顔すんなよ」
シャツを握っている手をぎゅっと掴んだ。
「先生は護符を持っていれば大丈夫って言ってくれたんだからさ。信じよう」
「うん…」
少し涙目になって目を伏せたから、握った手をちょっと引き寄せた。
「大丈夫…雅紀…」
「翔ちゃん…」
泣きそうになっている目をじっと見つめていたら、雅紀は目を閉じた。
「雅紀…」
ちゅーをしようと目を閉じた瞬間、むにゅっと俺の唇になんか当たった。
「そこまでだ」
「お…」
目を開けたら、チーフが怖い顔をして俺と雅紀の間にタブレットを挟んでいた。
「で、何日に予約取れたんだ。ちゃんと報告しろ」
「あい…すんません…」