第3章 アリストテレス
ぎゅうっと俺の体を抱き寄せると、潤はほうっと息を吐き出した。
「卒業式の日も、俺のこと触ってくれたよね…」
そっと身体を起こすと、俺を真っ直ぐに見下ろした。
「忘れられなかったんだ…あの日のこと…」
なんだ…
同じだったのかよ…おまえ…
おまえもあの日のこと…忘れられなかったんだな
「潤…」
「翔くん…」
なんだよ…もう…
必死で忘れようとしてたのに…
って、全然忘れられてなかったけどさ。
「触っても…いいよね…?」
薄暗いのに、潤の目はキラキラ輝いて。
あの頃のままの瞳…
少年みたく、汚れを知らない…
「あの日みたいに…触りたい…」
愛おしそうに俺の前髪を手で梳くと、額にちゅっとキスをした。
「翔くん…」
ああ…もう…
好きにしろよ…
観念して目を閉じると、ふふっと潤は笑った。
腕に濡れて丸まったTシャツが引っかかってて、腕を動かすことができなかった。
それをいいことに、潤は俺の身体を指でくすぐるように撫でていく。
「潤…」
「ん…?」
「これ、脱がせろよ…」
「だめ…もうちょっと…」
「なんでだよ…俺もおまえに触りたい…」
「え…」