第3章 アリストテレス
これが終わったら、やらかしの様子を見て、潤を送ってやればいい。
「さっさと済まそ」
さっと浴槽を流して、洗剤で風呂を洗い始めた。
20年前───
潤の中学の卒業式の日。
俺はあいつの家に泊まり込んでた。
あいつの卒業祝いとかなんとか言って。
進路のことで相談に乗ってたこともあって、あいつの家にはしょっちゅう行ってたから、ご家族も俺がこんな日に泊まっていくことに何を言うわけでもなく。
むしろ、次の日の晩飯まで一緒に食べようって言われてた。
あいつの部屋で寝てたんだけど、前の晩、なんでか知らないがセックスの話になって。
『翔くんって、もう経験済みなの?』
『あ?当たり前だろうが』
『うっそ。いつ?』
『は?言わねえし』
まあ、最近になって済ませていたが、別にいばるようなことでもないし。
米粒とまで言われてた俺が、急激に身長が伸びてモテ始めて、あっという間に童貞を卒業したことは、まあ奇跡に近かったんだけど…
『俺も…実は…』
『えっ…』
ちょっと待て。
おまえ、中学生だろ!って思ったのは覚えてる…
『クラスの子と…えへへ…』
照れまくって、頬を真っ赤に染めた潤は布団を被ってしまった。