第3章 アリストテレス
薬味もなにもないけれど…
とりあえず鍋にお湯を沸かして、そうめんを茹でた。
チャカチャカとこなす潤の横で、俺は突っ立ってただけだけども。
「翔くんは食べる?」
「いらん。さっき夜食食った」
「え?いつ?」
「さっき。スタジオで」
「えー?そうだっけ?」
ほんとこいつは…
夢中になると周りが見えなくなるんだから…
「お前の横で、めっちゃ食ってた」
「え。まじで」
笑いながら、鍋を持った。
「全然気が付かなかったなぁ」
シンクの中に置いてるザルでお湯を切った。
もわんと湯気が漂う。
「おまえの分もあったんだぞ?」
「そっかあ。食べときゃ良かった」
準備ができて、ダイニングテーブルという名の俺の作業台で、潤は飯を食った。
「…すごいねこれ…」
作業台だから、物がいっぱいこと乗っかってるんだ。
しょうがないだろ。
「狭くて悪かったな」
「ふふ…いいんだけどね」
することもなかったから、潤が食ってる間、風呂掃除することにした。
「ゆっくりしてて。俺、風呂洗ってくる」
「はーい」
なんだか、こんなに長い時間ふたりで過ごすことが最近なかったから、話すこともなくて。
正直、どうしたらいいかわからない。