第3章 アリストテレス
だって、これ以上変な気持ちになりたくなかったから
「別に嫌だとか、思ってない。行くぞ」
そう言って歩き出した。
「うん…」
しょぼんと歩く潤には申し訳ないが、俺達は…いや、俺はこの距離感で居たほうがいいんだ。
変なこと、あまり考えずに済むから。
マンションに着くと、潤をエントランスで待たせて部屋まで車のキーを取りに行こうとしたが、こんな夜中なのにギャルっぽい人たちが入り口付近に溜まってた。
明らか、俺達のファンっぽくて。
最近、こういうやらかしは減ってたんだけどな…
まだ居たんだ。
こんな事する奴ら。
しょうがないから、裏手の入り口から入ってすぐに、オートロックのドアから見えないようにエレベーターホールに入って、潤を連れて部屋に向かった。
「ねえ、翔くんの部屋見てみたい」
「あ?別にいいけど…なんもねえぞ?」
「風磨が言ってたじゃん。モデルハウスみたいって」
「多分、おまえんちよりしょぼいぞ…」
鍵を開けて中に入ったら、潤が小さな声で「おじゃましまーす」と言いながら入ってきた。
リビングに入れると、飲み物でも出してやるかとキッチンに入った。
「わあ…散らかってるね…」