第3章 アリストテレス
「怒ってなんかねえよ」
「どこがだよ!」
「えっ…むしろ、どこがだよ!」
「俺の話聞かないじゃん!」
「聞いてるって。だから、別に俺がやりたくてやるんだから、いいって言ってるだろ!」
「え…?」
「は?」
潤は不思議なものを見るような顔で俺を見てる。
「俺を家に送りたいの?」
「あ?だから、そう言ってるだろうが」
「…面倒って思ってるんじゃないの…?」
「なんでだよ。こういう状況なんだし、これが一番いい方法だろうが。なんで言い出した俺が面倒って思うんだよ」
「えー…?」
それでもなんか納得してない顔をしてる。
「行くぞ」
こんなとこでもたもたしてたら、時間がもったいない。
さっさと歩き出すと、潤もブツブツ言いながらついてきた。
「なんだよ。なんか不満なのかよ」
「だって…」
ちらりとみると、なんだかぶーたれた顔をしている。
「だって?」
「…さっきはあんなに楽しそうに喋ってくれたのに、全然喋ってくれないから…」
「ああ?」
「送るの面倒くさいから、怒ってるのかと思った…んだもん…」
ちょっと口を尖らせて。
キャップを被って、不満顔。
まるで子供みたいだった。
「何いってんだ?おまえ…」