第3章 アリストテレス
「お。一杯やってく?」
「え?でも…」
潤はなんだかモゴモゴしてる。
「え?だめだった?明日早い?」
「いや、明日は昼からだけど…」
「じゃあいいじゃん」
「でも翔くん…」
なんか言いたそうにしてるのに、なかなか言わない。
「なんだよ、はっきり言えよ」
「俺のこと、送ってくれるんじゃなかったっけ?」
「あ…」
そうだった。
なんか気分が良くなっちゃって、すっかり忘れてた。
「悪い。そうだった。行こう」
「い、いやっ…いいよ!飲もう?俺、タクシー待つから!お店で呼んで貰って、飲んでる間待ってればいいから」
「え、でも俺が言い出したことだし」
「いいよ、悪いもん。だから、入ろうよ」
「いいって言ってんだろ。行くぞ」
「翔くんっ…」
潤に背を向けて歩き出した。
「酒飲みたいんでしょ?」
「家、帰ってからでも飲める」
「でも俺を送って帰ってきたら、すごい時間かかるじゃん」
「別に。晩酌なんて寝る前の習慣だし、何時でもいい」
「でも…」
「いいっつってんだろ」
なんか今日はしつこいな。
別に俺がいいって言ってるのに。
そう思って振り返ると、なんだか泣きそうな顔をしてた。
「は?なんでそんな顔すんだよ」
「だって、なんか怒ってる」