第3章 アリストテレス
ちょっと、それが面白かった。
「ほら、行くぞ」
「ちょ、ちょっと!手、離してよ!」
「いいだろ。またコケられたら敵わねーし」
「こ、コケないしっ」
「コケてただろ…今…」
手を繋いだまま、歩き出した。
手を振りほどこうとしても、面白いからそのままにしてやった。
わざと大きく、繋いだ手を振りながら歩いた。
「しょおくん…恥ずかしいわ…何してんの…」
「あ?別にいいだろ?誰も見てねーし」
「写真撮られたらどうすんだよ…また腐女子の妄想に使われんだろ…」
それは嫌だな…
「うっすい本になって、売られるんだよ…俺ら…」
それも嫌だな…
「”不仲説は嘘だった!?仲良し手繋ぎは恋人繋ぎ!?”なんて週刊誌の見出しに載っちゃったらどうすんだよ…」
かなり嫌だ…
「だからほら、離してよ…」
でもなんか嫌がってる潤を見てるのが楽しくなっちゃって。
ちょっと明るめの店の前に来るまで、嫌がらせみたいに手を繋ぎ続けた。
「も、もお、いいでしょ!?」
まあこのくらいにしといてやるか…と思って手を離した。
「なにやってんだよもお…」
また潤は俺の後ろを歩き始めた。
その時、ショットバーの看板が見えてきた。