第2章 中編
暗い、暗い闇の中で光が走る。
私の目の前にいるのは、剣神バハムート。
クリスタルの内部に入り込み暫く彷徨っていたが、突然現れたバハムートからユーリは攻撃を受けた。
指輪の力を使い反撃するも、本来は王の資格すらないユーリが指輪を力を使いこなせるはずがない。
バハムートは何故ここにいるのか、そして何故ユーリを攻撃してくるのか。
彼女の中でバラバラに飛び散ったパズルのピースが、漸く1つになろうとしている。
「…剣神バハムート、あなたは世界をどうするつもりですか?」
攻撃を交わしながらユーリは問いかける。
この星の仕組みは、全て神々が作った雑な物語でしかない。そう感じたのは何時だったか。
ーーーー人間は神の加護がなければ生きられない
「六神がいなくなれば人間も滅ぶと?だけど、それは星の病と何の関係があるんですか?」
ーーーー光の王、そして闇の王の存在がこの世のバランスを保ち、人間はそれを軸に生きている。我々の与える加護はそれに影響している
「…つまり、神々が闇の王を意図的に作ってこの世界のバランスを保ち、光の王が闇の王に勝てるように力を貸していると。そんな感じの物語ですか?」
両者の攻撃が止むと、辺りは再び闇に包まれた。
それと同時に指輪がユーリを侵食しているような感覚に襲われる。恐らく、ユーリに残された時間は少ないのだろう。
「何とも王道なストーリーで素晴らしいと思いますが」
ユーリは再び手をかざすと指輪に力を集中させる。
脳裏に浮かぶのは、この星の犠牲となったアーデンの姿。
「私は、助けると約束した人がいますので、この世界から闇を消させてもらいます」
闇が消えたらこの星はどうなるのだろうか。神のいうことが本当であれば、世界のバランスが崩れてこの星は崩壊するのだろう。
だけどそれは、当初アルテマが望んでいたことだ。
犠牲がないと保てない星など、一度作り直すべきだと。