第24章 幸村の誕生日
「良い知らせは、勝ったって知らせじゃなくて、ただ、ただ、帰って来たってことだけだから」
真剣な瞳と口調で華月は幸村に訴えた。
勝利も戦利品も褒美も要らない。
貴方が生きて、私の目の前で笑っているなら。
これからもずっと笑っているなら。
今日の今、私の傍で笑ってくれている幸村に贈る。
「ありがとう❤」
俺の事、そんなふうに想ってくれて、
好きになってくれてたのか。
「こっちこそ、ありがとな」
笑い合って、口付けた。
「幸…」
「なんだよ」
「なんで梅と杏がごちゃ混ぜになってるの?
梅食べちゃったよ!スッぱーいっっ!」
完熟した梅は杏と大きさも色もほぼ同じで、区別がつきにくい。