第24章 幸村の誕生日
「梅は完熟だろ、酸っぱくねーよ。
酸っぱいのは杏の方じゃねーかよっ」
「あっ、ほらっ、幸村だって間違ってスッぱいの食べちゃったんじゃん」
「俺は杏が酸っぱいって言ってんだよっ」
「私は梅がスッぱいんだもん!」
「「むーーーーぅっ」」
睨めっこ。
ぷッ、
プッ、
あっはははははっ
「どっちでもいーねっ。
スッぱいけど美味しいよ」
(幸村と一緒だったら、なんでもいい)
「ほらっ、これ 美味いゼ」
「どれどれ〜っ」
幸村の手元に顔を近ずける華月。
持っていた梅をひと齧りした幸村が、
ヒョイッと手を除ける。
「んっつ!? ぅんっっ…」
幸村は華月の唇を塞ぐと、自分の口から梅を押し込んだ。
「なつ……////っ~っ、もぉぉーーっ////」
「なっ、梅、酸っぱくねーだろっ?」
不意打ちの口移しに、耳まで真っ赤にしている華月とは反対に、
幸村は、悪戯大成功で得意顔。
軽快で爽快な様子で子供のように笑っている。