第24章 幸村の誕生日
「お、おう、ありがとな」
「う、うん……」
「………」
なんともお互いぎこちない。
(…ホント、俺、気の利いた言葉も言ってやれねーな……)
幸村ははぁーと小さくため息を吐く。
「えっと…幸、これ…お祝いの贈り物…」
「え?あっ」
「料理は下手だから、作って来れなかったの。けど…コレ、幸村の為に作ったの」
風呂敷に包まれて差し出された華月の贈り物。
幸村が開けてみると
「! 紅の陣羽織かっ」
幸村がキラキラとした瞳で嬉しそうに、
それを掲げながら見る。
「うぉー、すっげぇ格好良いなっ」
本当に子供みたいだ。
「ありがとなっ」