第38章 妬かれる幸せ*氷室*
今日は部活が休みだから、放課後デートのお約束。
昼休みに携帯が振動音を出して、確認すると辰也からのメッセージ。
「今日の帰りの教室に迎えに行くね。」
携帯を眺めてニヤニヤしていると、友達が私に気付いてからかってきた。
「、顔に出てるよ。どうせ氷室くんでしょ?」
「いいなぁ…バスケ部の王子様。で、何だって?」
「あ、今日帰りに教室まで来てくれるって。」
「やった!イケメンが拝める!!」
「何?の彼氏ってそんなイケメンなの?」
友達たちが声を揃えて盛り上がっている中、男子の声が聞こえてきた。
「もう…私には勿体ないほどです。」
「そういえば、お前今日俺ら日直って忘れてないよな。」
「あ。」
「頼むぜ…。」
そうだった。今日に限ってついてない。
待たせるのも悪いから、忘れないうちにメッセージ返しておこう。
「今日日直だった…。終わったら私が迎えに行くよ!」