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きまぐれ

第3章 どっちもどっち、どっちもすき




「あっ...う、ん、あっあ...んんっ」


気づいたら、もう潤のほしいまま。


潤が触れてる全部が熱くて、燃えて灰になりそう。


灰になったらバラバラになるなあって思った。


バラバラになるのはやだからもうちょっと耐えようと思った。


よくわかんないけど、頭だけは落ち着いていた。


変な考え方だけど。


「さとし...俺、もうイきそ...」


潤のおでこに汗が滲む。


それが目元の窪みに沈んで、筋の通った鼻を伝って、鼻先で雫になる。


それは全部一瞬で過ぎていって、おれの腹に落ちた。





潤の動きが早くなる。


おれの中の、感度が高い所をガンガンやられる。


男とやったことあるの?ってくらい。


ないって自分で言ってたから、おれが初めてだけど。


なんでこんなに上手いんだろう。


イかないと思ってたけど、イきそう。


「んんんん...潤っだめ...いくっ...」


「え...」


一瞬動きが止まった。


潤は目から雫をおれの腹に落とした。


そこからはもっと激しくなった。


たくさん声が出た。


自分の元の声が分からないくらい上ずった声だった。


潤の熱が俺の中に。


おれの熱はおれの腹に。


これがところてんってやつか。


幸せな気だるさと、覚えたての言葉がふわふわと頭の中で漂ってた。
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