第8章 声を聴かせて〜NJ〜 3
俺の言葉に、ニノの目が甘く煌めいて…
その目が同じ様に俺に
愛している
と伝えてくれる。
いつの間に、こんなに好きになっていたんだろう。
体が、心が、俺の全てが喜びに震えていて…
全部が一緒の気持ちなのに、バラバラに弾け飛びそうなぐらい熱くて…
「潤くん、俺も…愛してる」
熱い唇と共に囁かれたその言葉に、全てが弾け飛んだ。
「カズ…やっぱ、痩せたね」
「え?俺のモノ細くなって満足できなかった⁉︎」
「バーカ、そんな意味じゃないし」
散々絡まり合って、ようやく落ち着いた互いの体をシャワーで清め…
元々肉が少ない体ではあったけど、明らかに一回り線が細くなっている。
「潤くんを、ね…諦めるって決めた瞬間から、食べ物の味が…さ、しなくなって」
ゆったり笑って俺を見たニノが、触れるだけのキスをしながらそんな風に言って目を伏せた。
「朝起きて鏡を見るたびに、こんなんじゃ駄目だ潤くんが心配しちゃう、って思ったんだけど、どうにもならなくてさ。どっかで期待してたのかなぁ、こんな風に潤くんが俺のとこにきてくれる事を。……ズルいよね、やっぱり」
「カズ…」
「それでも…本当なんだよ?こんな俺に同情して潤くんが無理するよりは…ちゃんと大好きな相手と一緒にいて欲しいって思ったのも」
切なさを宿した目でそう言って笑ったニノは…
その言葉通り、いつでも、どんな時でも、俺の事を考えてくれていて…
「カズ、大好き」
「んふふ、知ってる」
そう笑うニノだけど、その目の奥が泣きそうに揺れているのが、見えてるよ。
「潤くんの、俺への想いも、信じる。でも……人の心って自由になるものではないから。もし…ね、潤くんが翔さんへの想いも捨てきれなかったら、その時はちゃんと教えて?」
「そんな事…ないよ」
「なかったらね、なかったで、いいの。もしも、も話だよ。俺だって、ずっとね、潤くんの一番でいたいもん」
そう言った事で、逆にスッキリしたとでも言わんばかりの笑顔になったニノは、ギュッと俺を抱き締めた。
「潤くんが、好き。人間の中にある三大欲求ってものすら、潤くんの前では消えちゃうぐらい…潤くんがいなきゃ、生きてけないぐらい、好き。大好きだよ」
真っ直ぐな愛の告白に、堪えきれず涙が溢れだす。