第3章 秘密の花園【東堂尽八】✳︎リクエスト作品✳︎
「、、、ぷっ」
彼女は吹き出した。
は、、、?
「くすくす、、、っ」
堪え切れないという風に肩を震わせて、
その顔は苦しそうに歪んでいるのに、ひどく楽しそうに。
「むっ!何を笑っている?本当のことなのだぞ?」
一瞬呆気にとられてしまったが、すぐに俺はムッとして言った。
他の女子達のように、騒ぎ立てるならまだしも、、、吹き出す、、、だと?
「ご、ごめんなさい。あの、東堂くんがスゴイことはすごくよく分かっているんです!ケドやっぱり、、、ふふ、東堂くんが面白くて、、、」
どうやら俺のことをバカにしているのではないらしい。
が、何故?
何故彼女はこんなに笑っているのだ。
「むむ!何のことだ?」
面白い?俺は今こんなに苦しいのに。
「えと、なんというか、、、東堂くんはずるいと思います」
「は?ずるいっ!?この俺のどこがずるいというのだ」
「ふふっ、強いて言うなら全部でしょうか」
全然、理解できない。
この俺がずるい?
しかも全部だと??
「俺は何かおかしなことを言ったか?」
もうお手上げ状態だ。
俺は話す相手を間違えたのかもしれない。
溜息混じりに花々に問いかけると、
花々までもがまるで笑っているかのようにユラユラと風にその身を任せて。
「フン、、、」
憎らしげに隣を見やると、まだ彼女は肩を震わせていて、
「まったく、いつまで笑っているのだ」
俺は分かりやすく不貞腐れた。
「すみません、、、けれどやっぱりおかしくて、、、」
「だから何がおかしいというのだ」
目の端に浮かぶ涙を拭いながら彼女は、苛立つ俺をまっすぐに見た。
そして、、、
「天才でも練習はしないといけないんじゃないかなぁと、、、」
ニッコリと笑ってそう言った。
「それに東堂くんは、毎日ちゃんと練習してるじゃないですか」
「、、、」
「本当はあんなに頑張っているのに、それなのにそんな風に面白しろ可笑しくごまかすそういうところ、、、皆、東堂くんのそういうところがきっと大好きなんでしょうね」
呆気にとられる俺に。