第1章 熱の恐さ※
『エレンが熱を出した』
ハンジから聞いたその言葉に、狩りで疲れている筈の身体が自然と地下牢へと足が進んだ。
一体、俺は何をやってんだ。
看病なら、ペトラ等にやらせとけば大丈夫な筈なのに。
「……チッ」
俺の足は、止まらなかった。
*
地下牢の扉を開け、ベッドに横たわる人物に静かに近寄る。
横たわるエレンの顔は赤く、汗が滲んでいた。
苦しいのか、時々眉を寄せ、魘されている。
「エレン……」
「は、ぁ……へ、いちょ……?」
うっすらと、微かに潤んだ目を開けて、こちらを見上げるエレン。
いつもより力の無いその瞳に、襲いたくなる衝動を覚えるが、あくまでもポーカーフェイスを保つ。
「…気分はどうだ。」
「く、るしぃ…れす……」
よっぽど酷いのか、呂律が回っていない。
「…そうか」
「…へ、いちょ…う……」
服の袖をグイッと引っ張られた。
「…なんだ」
「…もう……どこにも、いかないで……っ」
弱々しく、か細い声で呟かれたその言葉は、俺の理性を吹き飛ばすのに、充分だった。
俺の袖を掴んでいたエレンの手を握ると、そのままエレンの上に跨がり、顔を近づける。
「ん……っ」
軽く、啄むようなキス。
エレンが酸素を求め、微かに開いた唇の隙間を舌でこじ開ける。
「ふ、ぅん……っ」
熱のせいで熱い口内を、ぴちゃぴちゃと水音をたてて、じっくり堪能する。
歯列を舌でなぞってやれば、下でびくんと跳ねる身体。
……堪らねぇ。
唇を離すと、どちらの唾液かも分からない液体が糸を引いた。
「は、ぁ……っ、へいちょ……」
「…そんなヅラするんじゃねぇ。酷くされてぇのか…?」
低く耳元で囁くと、エレンは力無くふるふると首を横にふった。
「……良い子だ」
額にキスを落とすと、そのまま唇を白い首筋に移動させる。
「んぁ、あ……っ、へい、ちょ……っ」
舐めあげると、甘ったるい声が上がった。