第4章 Loving you is Killing me.Ⅱ 前編
「僕、一度オフィスに戻りますんで……」
そう言うとジュニア君は、マシンの電源をオフにした。
「俺も、顔出すよ」
「はぁ」
「何、その返事?」
「だって貴方も、何もしないんでしょう?デスクワーク」
まただ、“アナタも”
「あのさーそれ、やめてくんない?」
「何がです?」
「いつも、アナタ“も”ってさ、誰と比べてんの?」
「は?」
「気づいてねーの?」
「何のことですか?」
俺はマシンから離れて、ジュニア君に近づく。
「いつもいつもさ、アナタも、アナタも、アナタもっ、って!あのおっさんと比べるの、いい加減やめてくんナイッ?」
あ、ヤベちょっと語尾が強くなっちまった。
すると
「何の話かわかりませんね」
まだ、惚けた返事をしてくるジュニア君に
流石にイラッときて
俺は耳に顔を近づけて言ってやった。
「俺ならアンタをフラないぜ?おっさんみたいに……」
ジュニア君の右手が俺の頬に飛んできた。