第4章 Loving you is Killing me.Ⅱ 前編
「ほら、とりあえず腹に何か入れとけよ。出動要請かかって動けないなんて、ヤだぜ俺」
そう言ってさっきテイクアウトしたばかりの、コーヒーと朝食をジュニア君の膝の上に置いてやる。
少しの間が開いて
「……貴方も案外……世話焼きなんですね……」
ボソッとジュニア君が呟いた。
“アナタも”ね……
まぁいい。そこも今は気付かないフリをしてやる。
「2部は朝からちょこまか大変だな」
なんて俺が言ってすぐ、俺達のPDA大きな音をたてる。
その音を聞いた瞬間、ジュニア君の顔は
ヒーローになる。
シュテルンビルトの王子様か……
さすがだな、あんなクマを作った顔でも、きっちりとヒーローになっている。
ジュニア君はコーヒーを一気に飲み干すと
「行きましょう」
「あぁ、そんなツラで迷惑かけないでくれよ」
俺が態と言ってやると
酷く腫らした目で、なのに……
いつもの涼しい顔で
「貴方もね」
だと。
俺達はヒーロースーツに着替えると、ジュニア君の運転するダブルチェイサーに乗り込み、直ぐ様現場に向かった。