第4章 Loving you is Killing me.Ⅱ 前編
向こうから2部ヒーロー達がやってくる。
「朝から出動要請?」
「はい!」
ボンベマンが大きな返事をする。
「あれ?おっさんと、小さいのは?」
「タイガーさんと千代紙は、もう現場です!」
「へー……ま、頑張ってね」
「ありがとうございますっ!行って参ります!」
大きな返事のボンベマンとスモウサンダーに、俺はヒラヒラと手を振った。
2部ヒーローを見送った後、近くのカフェで、テイクアウトのコーヒーと朝食を買う。
そして来た道をもう一度戻り、“相棒”の待つロッカールームへと急ぐ。
でも、急いでいないように、決してそれは、悟られないように……
だってこの俺様が“相棒”なんかの為に、急いでる、なんて……
おかしな話だよな。
「おい、ジュニア君、顔洗った?」
鏡越しにガラスみたいな目だけが、こちらをチラリと見た。
「何もしてないの?」
こちらを見た目はまた、すぐに、足元に落ちる。
俺は大袈裟にタメ息を吐くと
「さっき2部のヒーローに会ったよ」
すると今度は顔をこちらに向ける。
「ジュニア君、顔に出過ぎ」
俺がニヤリと笑うと
「からかうなら……僕のことは……放っておいて下さい……」
そう言ってまた足元に視線を落とすジュニア君に
「何それ?かまってって合図?」
「………………」
今度はダンマリか……