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君とならキスだけじゃ【TIGER&BUNNY】

第4章 Loving you is Killing me.Ⅱ 前編


俺に引っ張られ、引き摺られるように後をついてくるジュニア君に……

「アンタ、なんて顔してんの?それ」


「え?」


「ひでー顔、頭もボッサボサ!」


「………………」


「おまけに、なんの匂い?なんか臭ーし……」


フワッと香った、何処かで嗅いだことのある匂いに……何だかイヤな気分がジワッと沸き起こる……

何を聞いても黙っているジュニア君。
まぁいい。

しかし、目元……酷すぎんだろ。
どんだけ泣いたら、あんな目になるんだ?

「とにかくあんたのロッカールーム行くぞ。用意してあんだろ?色々」

「………………」

「あと、シャワー……」

「イヤだ」

「は?何か臭いんだけど?」

「これは……」

そう言うと、下を向いてまた泣き出しそうになるジュニア君に。

「いいよ、とりあえず顔は洗えよ!あと、目元、ちょっと冷やせば?」


俺はジュニア君を大きな鏡の前にある椅子に座らせると、

「顔洗って、ちゃんと身なりは整えとけよ。相棒がそんなだと、俺が恥をかくんだからな」


“相棒”


そう言った時、ジュニア君の肩がビクッと震えた。


それには今はまだ気付かないフリをして、俺はロッカールームを出て行く。


「ちゃんとしとけよ、すぐに戻ってくるからな」


もちろん返事は返ってこない。


ロッカールームのドアをバタンと閉めると、ドタドタと大きな足音が聞こえてきた。




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