第16章 if...
俺とジュニアは、その日、ワンワン泣いてさ……
二人一緒にそのまま……
泣き疲れて眠っちまった。
その夜、俺は夢を見た。
バニーの夢だ。
夢の中のバニーは、出会った頃のバニーでよ……
生意気なんだ、これが。
『おじさん』なんって呼んできてよ
それがさ、いつの間にか俺達は愛し合ってさ、
抱き締め合って……
そして俺達二人の間には
ジュニアがいるんだ…………
俺はこんな幸せな夢、見たことがなかった。
目が覚めた時、
昨日あれだけ泣いたのによ、また泣いてたんだわ。
でも、それは一筋の涙で……
腕で擦ったら、すぐに消えちまった。
俺はもう泣かない。
こんなに泣いてちゃ、次にバニーに会った時、何言われるかわかんねーからよ。
そう、俺達はまたいつか会える。
それはまだ先の未来なんだけどよ……
今はまだ、その時じゃねー
愛してる
その気持ちを胸に、可愛い寝顔のジュニアを起こした。
日常に……
ちゃんと普段の生活に戻らないと……
俺には、俺達二人の大事な宝物“ジュニア”を育て上げる大事な仕事が残ってんだ!
でもよ……ヒーロー業。
これはもう、引退の時が……
見えていた。