第16章 if...
俺とバニーの息は、長年やってきたからかぴったりだった。
阿吽の呼吸、ってヤツだな。
でも、その呼吸すら合わせる相棒がいない……
俺は自ら希望を出して、2部にしてもらった。
金の心配はもうなかった。
バニーが俺達に沢山遺してくれていたから。
俺の能力の事を考えると、2部が妥当だし、それに何より
ジュニアといる時間を増やしたかった。
ま、ホントはヒーロー辞めるってのが一番なんだろうけどよ……
友恵との約束もあるし、それに、きっとバニーも……
俺がヒーローでいることを望んだハズだ。
ヒーローの定年は今どきでは珍しい、60歳だった。
誰も定年まで務め上げたヤツはいねー。
みんなだいたい、それまでに辞めちまうんだ。
身体が持たねーのもアンだけどよ、やっぱ1部でずっとやってっと、金銭面でも余裕が出てくんだよな。
それに新しいヒーローも出てくるしさ……指導する方になっちまうんだよ。
若いヒーローを育てるってのは、いいよな。夢がある。
でもよ、俺はどーーーっしても!
現役
そこに拘ってたんだ。
笑うヤツもいた。でも、いいんだそんなの。
俺は俺を必要とする人がいて、ヒーローやってていい、ってんならやりてーんだ。
ヒーローやってっとさ……
いつもバニーが近くにいる気がしたんだ……
辞めれねーよな?そんな感覚があんのにサ。