第16章 if...
さっきまで夕焼けで真っ赤に染まっていた場所は、一気に暗くなってきていた……
「バニィっ!!!!」
俺はジュニアを抱えて、バニーの傍に行った!
すると救急隊員が
「動かさないでっ!頭を強く打っています!!!」
俺はビクッ!!!となって、立ち止まった。
ジュニアを抱えたまま。
後ろからアニエスが声をかけてきた。
「タイガー……」
「おいっ!アニエスっ!なんでバニーこんなとこで、寝てんだよっ!!!」
俺がアニエスに怒鳴った時、救急隊員が大きな声で言ってきた。
「搬送します!ご家族の方は早く車にっ!」
俺はやっぱりジュニアを抱えたまんまでさ、そのまま救急車に乗り込んだ。
アニエスも一緒に乗り込もうとしたんだけどよ……
「お前は乗んな……」
その一言が精一杯だった。
救急車の後ろには、俺とジュニア、そして2名の救急隊員がずっとバニーに呼び掛けたり、脈を測ったり……なんかわかんねーよ。その時のことなんって……
とにかく俺はバニーに必死で話しかけた
「バニー……バニー!早く、目ぇ開けろよ。ジュニアもいてんだぞ!おい!バニー……」
ジュニアはずっと、俺にしがみついたまま……
じっ、と
バニーを見ていた……