第16章 if...
その日は、バニー1人で雑誌の仕事でさ、
俺はジュニアと一緒に取材現場近くの公園で遊んでたんだ。
仕事が終わったら、明日はジュニアのキンダーも休みだしさ、外で飯を食おうって約束してたんだ。
ジュニアは勉強するのも遊ぶのも、集中力がほんと凄くてさ、俺達はいつもヘトヘトになるまで、公園で遊ぶんだ。
「おとうさんっ!」
ジュニアが、ジャングルジムのテッペンで俺を呼ぶ。
「おいっ!気を付けろよっ!」
「ワイルドにほえるぜっ!!!」
なんて言って、ポーズを決めている!
そして次に、中指と人差指2本をひっつけて、額の横からピッと、ポーズを決める。そう、バニーお決まりのポーズだ。
「ハハッ!どっちも、よく似てんなっ!」
俺は、そう言って笑っていた。
俺達は公園で、バニーからの連絡を待っていたんだ。
もうすぐ、日が落ちる。
辺りは真っ赤に染まってきた。
夕焼けがキレイだった。
あぁ、こんなキレイな夕焼け、バニーも見てっかな、なんて……思ってたら
ジュニアが突然、
「ダッドっ……!?」
叫んだ!!!
それと同時に
俺のPDAが、けたたましく鳴り響いた。
そして
『タイガー!早く来てっ!!!バーナビーがっ!!!』
ジュニアが、ジャングルジムのテッペンから飛び降りた。
結構な高さだったのに。
「おとうさんっ!はやくっ!ダッドがっ!!!」
ジュニアが俺の手を引く。