第16章 if...
バニーはいつも俺の手を握って、自分の胸に押し当てては
「僕の心の中を見せたい。貴方の事で、いつも一杯で……愛で溢れているんです」
なんてジュニアの前でも言うから、ジュニアがバニーの真似してよ、俺の手を握って
「ボクのハートの中は、ダッドとおとうさんでいっぱいです」
なんて言うんだよな。
ジュニアは、俺の事を「おとうさん」バニーは「ダッド」、楓は「ママ」、楓のダンナを「パパ」ってさ、すげーだろ?
3人の父親に1人の母親……あっ!そーいやネイサンもジュニアに「ママ」って呼ばそうとしてたな……
そして2人の兄と姉。部屋は違ったんだけどよ、皆が同じマンションに住んでさ、皆が同じ家族だったんだ。
俺とバニーが夜中に出動することがあると、楓のとこ連れて行って、ジュニアを預けたりしてよ、
楓のダンナもさ、ジュニアの事、すげー可愛がってくれんだよ。
もちろん俺達も、楓の子供達……あー孫だよ、孫っ!!!可愛いーんだわ、これがっ!!!
楓に「甘やかし過ぎっ!」なんて俺もバニーも、しょっちゅう怒られちまうんだけどよ。ま、とにかくめちゃくちゃ可愛いがっていた。
なんかヘンテコな家族だっけど、俺達はいつも愛に溢れていたんだ。
あの日だって、
もちろん
愛で溢れていた……