第4章 ちうパニック(食満留三郎)
くそっ、仙蔵の奴め涼しい顔してやがる。
お前も容疑者の一人なんだよ。
何かと理由をつけては椿に触れやがって。
女の扱いに慣れている風吹かせてあいつに触るな。
そして文次郎、お前だった場合問答無用でコロ━━━
「おわぁぁぁ!?」
突然目の前に現れた椿の顔に、思わず後ろへ飛び退く。
「留三郎、食べ終わったなら譲ってあげてね。まだ座れてない子いるんだから。」
椿は空になった俺の御膳を片付ける。
「お、おう。すまなかった…」
「留三郎行くよ。」
伊作に引っ張られ食堂を後にする。
椿と目が合うとあいつは、いってらっしゃいって言って笑った。
……調子が狂う。
とまあ、そんなことがあって今日の俺は機嫌が悪い。
だいたい俺だってまだ……あいつに……そういうことをしていないんだ。
一体犯人は誰なんだ!?
「なんか今日の食満先輩怖くない?」
「そうだよね、いつも以上だよ。」
「お前たちもそう思うか?」
「はにゃ?富松先輩。」
「俺には食満先輩が、火を吹いて忍術学園を壊して回る姿が目に浮かぶんだ。ああ……」
「まさか……あ、椿さんだ。」
用具委員会の仕事をしていると椿がやってきた。
相変わらず首にあれを付けたままだ。
嫌でも目につく。
「留三郎、委員会中ごめんね。ちょっといい?」
「あ?何だ?」
「うん、ちょっと。ねぇみんな、留三郎借りて行っていいかな?」
椿の問いに作兵衛としんべぇが、どうぞどうぞと答える。
お前たち、なんか俺を追い出したがってないか?