第14章 僕の使用人。
コンコン…。
執事長『失礼します。学秀様。』
学秀『あぁ、入ってくれ。』
コーヒーの香りが漂う。
学秀『コーヒーは後で飲むから、あっちに置いてくれ。
さっそくなんだが…』
『せっかく淹れたのに…飲んで頂けないんですか?学秀様…。』
僕が顔を上げると、そこには使用人の服を着たまぁが立っている。
学秀『なっ……!何故、ここにいる…。』
『学秀様が聞きたいことがあるっておっしゃるから…専属使用人の私が教えに参りました。』
学秀『………さては、全員グルか…?そこにいるんだろう?執事長、及びこの家の使用人。』
執事長を筆頭に使用人達が微笑みながら並ぶ。
執事長『学峯様のご命令故…。お許し下さいませ。学秀様。』
学秀『ふっ…。なら僕からの命令だ。今日は全員もうあがってかまわない。ゆっくり休め。それから今から僕の部屋には誰も入るな。』
執事長『承知致しました。ではごゆるりと…。』
そう言って執事長及び使用人は部屋から出て行った。
学秀『さぁ、まぁ。ここにはもう誰も入ってこない。説明してもらおうか?』
僕がそう言うと、まぁはフワリと僕の胸に飛び込んできた。
学秀『……。何のつもりだ?』
『そんな風に言ってるけど、しっかり私のこと…抱きしめてくれてるじゃん?』
学秀『……僕がどれほど会いたかったと思っているんだ。』
『私も、会いたかったに決まってるじゃん。頑張ったんだよ…。私…。ここに、学秀のとこに戻ってくるために…。』