第13章 奪われる日常
(学秀サイド)
生徒会の会議中にスマホのバイブが鳴る。
画面を見ると差出人不明のメールと共に画像が添付されていた。
画面を開くと僕は一瞬息ができなかった…。
学秀『まぁ……。』
椅子に縛られ、意識のないまぁの画像と共に地図が添付されている。
気がつけば生徒会室から飛び出し、走っている自分がいた。
こんな事をするやつは…。あいつしかいない……。
頼む…。まぁ。無事でいてくれ!!
僕が地図の場所まで辿り着くと、空き物件となったビルがあった。
ピコン…。
スマホを開く。
3階。
とだけ文章が綴られている。
僕は3階への階段を登り、扉を開ける。
だだっ広い部屋には赤いソファーとテーブルが置かれ、そこには蒼葉とかすみが寄り添うように座っている。
かすみ『あっ!浅野君だぁ!』
蒼葉『やぁ!夏休みぶり。元気してた?』
学秀『まぁはどこだ………。』
学秀が怒りを含んだ低い声を出す。
蒼葉『あいさつもしてくれないの?ひどいなぁ。
この前だって、突然おじい様連れてきちゃうし。
…だからさ、今度はまぁを俺のものにするよ。
さ、浅野君。続き…、始めよっか。』
蒼葉がさらに奥の部屋に続く大きな両開きのドアを開ける。