第2章 自覚は突然に。
桃宮…。
それは、まぁが赤羽の名字になる前の名字だった。
『あっ!松本君。久しぶりぃ!』
まぁはそう言って松本と呼んだ同い年と話をしている。
松本『急に転校して、正直寂しかったよ。そちらの彼は…もしかして彼氏?』
『違うよぉ〜!私の血の繋がらないお兄ちゃん!』
松本『そうなんだ!よかった…。
あのさ、俺、まぁの事、小学生の時からずっと好きだったんだ!
だから…俺と付き合ってくれないかな?』
『うそ…。松本君が私のこと…?』
そのやり取りを見ていた俺は、何故かとても面白くない感情が込み上げてきていた。
『松本君…。ごめんなさい。私、松本君は友達としては好きだけど、恋愛対象としては見てないの。だから、お付き合いできません。』
その言葉に、俺は無意識に安心した。
松本『そっか…。悪かったな!また、クラスのみんなで遊ぼうぜ!』
そう言って彼は去って行った。