第2章 自覚は突然に。
まぁとショッピングモールを出る。
まだ17時過ぎだが、もう陽が沈みかけている。辺り一面のイルミネーションがすごく綺麗だ。
『きれぇ〜い!ねぇ、お兄ちゃん。写真撮ろッ!』
そぉゆうとまぁは自分の携帯をポケットから取り出し、セルフモードに切り替え俺の隣に立つ。
『お兄ちゃん、屈んで!それじゃあ、映らないよぉ!』
俺より20㎝程身長の低いまぁに言われ、『はいはい。』と返事をして屈む。
『はい、チーズ!』
俺とまぁの背後には青や白のイルミネーションが映り、俺たちが兄弟である事を知らない人が見れば、カップルの記念写真に見える。
『よし!送信!お兄ちゃんにも送っといたよ。あとは…』
まぁがスマホを操作し、画面を俺に見せる。
『待ち受けにしちゃった!』
無邪気に笑うその姿に、俺は触れたい…ただそう思う自分がいた。