第1章 *空*
.
.
繋いだ手をパっと離して
.
こっちを見る
.
.
和「シャワー先にどうぞ」
.
明日早いって言ってたから
.
.
急いで出て
.
ソファに座った
.
.
.
和くんを待ってる間
.
.
自分の体から
.
懐かしい和くんの香りがして
.
それを閉じ込めるように膝を抱えてた
.
.
.
.
和「まだ髪乾かしてないの?」
.
声がしたと同時に
.
和くんが髪の毛を触って
.
ドライヤーの風が吹いてきた
.
昔はよく髪乾かしてくれたよね
.
.
和くんの手が気持ちいい
.
目を瞑ったままじっとしていると
.
.
和「はい、おしまい」
.
.
頭をポンポンってされて
.
.
後ろを見ると
.
.
和くんの髪もぬれたままだった
.
.
「和くんもしたげる」
.
和「俺はいいよ(笑)」
.
.
って言う和くんを無理やり座らせて
.
.
今度はあたしが和くんの髪を乾かす
.
.