第26章 Rush around
「潤、あなたのこと、ずっと…。
ずっと、ずっと、想い続けてたんです…
中学の頃からずっと…
でも、友達の関係を壊したくなくて。
その気持ちを誤魔化すかのように
いろんな人と関係持ってきたけど、
もう疲れたって…
こんな気持ちで告白とか最低だけど、
俺と付き合ってくれないか、って…
そしたら、忘れられるかも、って…」
一息で言うとまた大きく息を吸って
「俺、それで潤が救われるなら、って
告白を受けたんですけど…
ご飯食べていても、
映画見たりしていても…
潤は上の空で…
前みたいに泣いたりはしなかったんですけど、
泣かなくてもわかったんです。
潤は心でまだ、泣いてる…って…」
さっきとは逆で
今度は俺が深々と頭を下げていた
知らなかったとはいえ、
ほんとうに申し訳なくて
再度頭を下げようとした時
「…頭、上げてください…」
優しい声色の雅紀の手で
ゆっくりと上半身を持ち上げられる
「…ごめんなさい…」
「…謝らないでください…
俺の方が、悪いんで……」
申し訳なさに小さな声で謝った俺に
雅紀は聖母のように微笑んだ
巻き込まれた人なのに。
潤を思って怒らないで、なんて…
しかも俺の方が悪い、なんて…
微かな街灯の下、
柔らかく微笑む彼をじっと
見つめていた