第26章 Rush around
見つめた先で視線が絡んだ瞬間
ごほん、と大きな咳払いがして
「お、俺!これからは翔一筋だから!」
力強く肩を抱き寄せられて
やけに大きめな声での宣言に
急に恥ずかしくなる
「へぇ…2人付き合い出したの?」
「そう!だからもう揶揄うなよなっ?」
「揶揄うぞ?俺の時あんだけ揶揄れたんだからな!」
目の前の2人の目元がキラン✨と光って
「どっちから告ったの?」
「潤のどこがいいの?」
「え、どっちが下?」
「そりゃ翔くんが下に決まってんだろっ?」
「て、ことは!翔くんケツ痛いの?今」
「黙ってないでなんか言えよぉ〜っ」
ずいずいっと、
見えない圧を纏いながら
好き勝手言い出した
智くんとかずに
圧倒されて黙っていたら
テーブルに置いてたスマホが震えて
「あ、わりぃ…ちょっと席外すっ」
「しょ、翔っ…」
困り果てた潤の声を聞きながら
スマホを握りしめて外に出た
ふー…偶然だけど助かった…
悪い、潤…
頑張ってくれ…
電話に出ると部下からで
「もしもし?どうした?」
取引先の緊急連絡先を聞かれて
答えてたら背後の方で
居酒屋の扉の開く音がした