第26章 Rush around
「そ、そりゃさ…
最初俺が避けたりしたの、悪かったよ?
でもさ…っ…、え…っ?」
捲し立てるように話し続けていた
俺の視界が一瞬グラン、と揺れて
潤の腕の中にすっぽり入ってた
背中の手がぽんぽん、と
優しく撫で上げると
「ねぇ?翔…さっきからよく喋るけど…
いつもの小煩いやつ?それとも…ヤキモチ??」
耳元で囁く声は嬉しそうで。
ゆっくりと互いの間に少しの空間が
作られると見えた表情も嬉しそうに笑顔で
「…ヤ、ヤキモチだよっ」
言い終えるとまたギュッて抱きしめられた
「そっか、ヤキモチかぁ…」
「な、なんだよ…っ…離せよっ」
ふふって小さな笑い声を含ませながら
身動ぎも無意味なくらい
力いっぱい抱きしめられて
「ヤキモチってことはさ?
翔、俺のこと…好きなの?」
「…っ……」
「…翔?ほら、言って?」
耳元で話す口振りは
もう全て見透かしてますって感じで
もう気付いてるくせにこいつ…っ
「す、好きだよっ!悪い…っ、んぅ…っ」
言い終える前に塞がれた唇は
すぐに離される
「悪くない、嬉しいよ…翔」
にっこり、柔らかく微笑むと
「俺も、翔が好きだよ…」
またギュッて抱きしめられた