第15章 shine of the palm
眩しさに慣れた目で周りを見れば、普段見ない服を着た社長や万理に笑ってしまう。
『見えてない時はどんな変装してるのかと思ったけど、まさか万理が・・・フフッ』
万「笑うなよ・・・俺もこの年で環くんのを着せられるとは思わなかったんだから」
いつもはスーツに身を包んだ万理が、まさか王様プリンのシャツを着てるとは・・・意外だった。
小「ね、僕は?大和くんのを借りたんだけど、どう?似合う?」
なぜかウキウキしている社長を見れば、確かにそれは二階堂さんの服で。
『そうですね・・・社長も普段はキッチリとしたスーツ姿ですけど、お似合いだと思いますよ?例えるなら、休日のお父さんみたいです』
紡「良かったですね、社長。愛聖さんに似合うって言って貰えて」
小「あれ?紡くんはそうは思わない?」
紡「私は・・・休日の姿は家で見てますから」
クスクスと笑う紡さんを見て、社長はいったい休日にどんな格好をしているんだろうかと考えてしまう。
前に万理と泊めて頂いた時は、別段おかしな格好ではなく、お風呂上がりのラフな・・・まぁ、言うなればパジャマ代わりのスウェット姿、だったけど。
『あ、そうだ。一織さんもいつもは制服をキチッと着ているので、四葉さんみたいに少し崩した着方が新鮮です。たまにはそうやって着てみるのはどうですか?』
一「私は普段通りで結構ですよ。四葉さんの方がイレギュラーなんですから」
フイッと顔を横に向けながら言う一織さんは、きっと今、耳がほんのり色付いている事に気付いていないんでしょうね。
たまに見せるそういった照れた感じが、また新鮮って言うか。
いつもは年上のはずの私が、一織さんに注意されたり怒られたりする方が多いから。
・・・それもどうなんだろうと思うけど。
そういうのは天にもよく怒られたりしてたから、慣れてるといえばそうだけど。
壮「ひと通り終わったからお茶を入れたよ」
テーブルにはいつの間にか逢坂さんが用意したお茶を飲みながら、下岡さんからのお菓子をそれぞれに摘む。
大「ところで愛聖、見事なまでに全員を言い当てたワケなんだけど、お前さんが希望するお願いってやらは決まってんのか?」
「なんでも言う事を聞いてくれるっていう、お願いですよね?それなら実は初めから決まってるんです」