第15章 shine of the palm
❁❁❁ 環side ❁❁❁
『あれ?なんか変だなぁ・・・なんか違う』
俺はすぐバレそうだからってヤマさんに言われた通りにイスに座ってるけど、そのせいかマリーがなかなか俺の名前を呼ばねぇ。
髪型隠しにナギっちがパーカーのフードを俺に被せたし。
あと、ついでにみっきーがマスクもしとけって。
つうか、目隠ししてっから見えないし、この格好って怪しいヤツじゃね?
『そっか!四葉さんイスに座ってませんか?』
「おぅ、座ってる」
三「おい環!自分でバラしてちゃダメだろうが!」
「え?・・・あ、そっか。でも、マリーは俺がイスに座ってるか?って聞いたんだから、俺だって分かってたんだろ?」
三「それもそっか?じゃ正解だな」
『良かった・・・』
みっきーがそう言って、マリーがホッと息を吐いた。
『四葉さんは、割と早めに分かってはいたんです。でもなんか、いつもの感じと違うなぁって』
「ヤマさんがイスに座れって」
『やっぱり・・・さっきも二階堂さんが引っ掛けみたいのしてたから、もしかして位には思ってました』
もう!とマリーが言えば、ヤマさんもゲームは楽しい方がいいだろ?とか言ってドヤ顔してる。
「俺もヤマさんみたいにギューしたかった。ヤマさんばっかズリぃ」
大「なに言ってんだよタマ、あれはヒントやろうかと思ってだな・・・」
「ヒント?俺にはバレないようにしろって言ったのに、やっぱズリぃ」
ジーッとヤマさんを見てると、マリーがツンと俺の服を引っ張った。
『ギューしてもいいですよ?四葉さんならいつもの事だから』
「マジで?!じゃ、ギューする」
いつもお帰りの時にしてるみたいに、マリーをギューッとハグしてみる。
うん、この感じ・・・
「暖かくて、ふわふわで・・・イイ感じ。あと、スゲーいい匂いする」
『あ、はは・・・ありがとうございます四葉さん』
俺の背中に回された手が、ぽんぽんっとされて更に安心する。
いつもしてっけど、やっぱマリーをギューッとするのは心が暖かくなる。
なんでだろ?って前にそーちゃんに聞いたら、俺がマリーを好きだからだって言ってた。
マリーは好きだと思う。
王様プリン買ってくれるし、ちゃんと勉強したら褒めてくれるし。
だから・・・好きなのかな。