第15章 shine of the palm
❁❁❁ 大和side ❁❁❁
『う~ん?』
フッ・・・悩んでる悩んでる。
ま、そりゃそうだろうな?
なんせ今、愛聖の前に立ってるのは、最初に当てたハズのリクなんだから。
リク、ナギ、ソウ、ミツ、社長・・・と順調に誰なのかを当て続けた愛聖だったけど。
ここに来て、既に当てたハズのリクがまた目の前にいるんだからな。
1人ずつ準備に当てていって、残りの人数が少なくなればなるほど消去法で正解率を上げる事も出来ちゃうし。
が、しかし・・・こんな楽しいゲームを難なく進めるオレでもない。
別に意地悪をしてるつもりもない、ただゲームを盛り上げる為の策って感じで。
『やっぱり七瀬さん、ですよね?』
陸「もうバレちゃった・・・愛聖さんゴメン、オレはフェイクです・・・」
『フェイク?じゃあ、ホントの順番の人はどこですか?』
陸「えっと、この人です。いま立ち位置を交代します」
そう言ったリクがオレの背中を押して愛聖の前へと立たせた。
『なんか凄く背が高い気が・・・メンバーの中で高身長って言ったら、でも四葉さんやナギさんとは違う感じが・・・』
ま、そう簡単に当てられるのもって感じで、実はこっそり雑誌を積み重ねた踏み台を作って乗ってたりするオレ。
ササッとそんな物を用意してるオレを見て、ミツはオレに大人気ねぇなぁ・・・とか苦い顔をしてたけど?
ゲームを面白くするには、ちょっとしたズルい知恵も必要不可欠ってワケだ。
さぁ・・・オレだって分かるかな?
『一織さんも背が高いけど、でも一織さんはもう少し細身だと思うし・・・』
環「マリー、いおりんのこと詳しいな」
『詳しいっていうか、前にちょっとしたハプニングでギュッてされた時、そんな感じだったから』
ちょっとしたハプニングって、アレか。
一「それは佐伯さんが高所恐怖症なのに無謀にも蛍光灯を替えようとして脚立から降りれなくなっただけです」
『すみません・・・』
そうそう、そんな事もあったよなぁ。
んで、その脚立から落ちて事故的にってヤツな。
環「でもそれってギューッてよりも、落ちた時にいおりんとキスしちゃった方が印象的じゃん?」
一「よ、四葉さん?!あれは事故!事故ですから!」
おいおいイチ、慌て過ぎだろ。