第13章 青い炎
闇が深まる深淵の奥に
赤く光る二つ目の魔獣の魔力を感じ取る
(こいつが女王か!)
クライヴは闇の魔力を張り巡らせ、女王を包囲していく
闇の中で紛れ込んでいた女王に肉体はなく
闇に溶け込んでいる状況でも
クライヴは包囲していくことに危機感を感じる
このままこの空間にいればクライヴに侵食され
使役されると。
寄生を上げながら女王は急速に肉体を構築し、
新たな闇を作り出し、逃げるための結界を作り出し
「そうはさせるかよ」
クライヴは闇の檻を女王の真上に落とし、
肉体を貫通させる
そのまま外の世界へ一気に引き出され
中途半端な肉体をした女王はアンリの前に放り出される
「今だ!
あの薬をかけろアンリ!」
「はい!」
アンリは手元の薬の蓋を取り外し
喚く女王に振りかけた
「ギャェェェェェェェェェ!!」
甲高い声をあげながら肉体が焼失していく
それと同時に周囲にいた魔獣も同じ現象が起こる
次々と肉体が溶け、液体は闇と変わって消えていった
静寂が包まれ、全員がやっと倒したと安堵の表情を浮かべる
「アンリさん、ありがとうございます」
ユリエフはアンリの両手を握り、そのまま治癒へ移行した
「傷を癒しますね」
服の上から温かい光が包み込み
零式と戦った時に負った傷が癒えていく
「すごい、さすが天族ね」
アンリは傷を癒すユリエフを見つめていると
かつて自身を看病してくれたローランと重なる
外見だけではない
かつて火族の捨て駒として重症を負って捨てられた
何のとりえもない自分を無償で助けるだけでなく
傭兵として就いていたものの、敵の攻撃で体や心に大きな傷を負た火族も見返りを求めることなく治療していたローランと
目の前にいるユリエフは同じように見える
まずは目の前の大切な恩人を救うべきだ
そう考えたアンリは心からの言葉がとっさに口にでる
「アタイ、先生を助けたい」
傷口を見つめながら治療していたユリエフは
視線をアンリへむける
「アンリさん、そのことですが
私の一族と契約を結べばローランさんを延命させれます」
「?!」
「それにはローランさんも含めて契約となるので
アンリさんの一存で決めれることではないんですけど・・
詳しいことは全てが終わった後に説明しますね」