第13章 青い炎
クライヴは両手の平から闇を放出させ
一気に四方の炎へ侵食していく
アドラの闇とクライヴの闇が混じり合い
黒い稲妻を発生させながら闇の炎は勢いを増して行く
「クライヴ君・・あれは・・」
「心配するなユリエフ
俺の魔力とアドラの魔力が衝突してるだけだ
一時的とはいえ、奴の主導権を俺が無理矢理握るとなれば
こうなるっ!」
右手の拳を強く握り締めると
クライヴは思いっきり引っ張る
その時に、2つの炎が爆発し
闇族の紋章が浮かび上がる
爆発を終えて炎は鎮火し、
灯火のように小さく燃える
「ーーーここではないか」
目を閉じていたクライヴは
ゆっくり開け、もう2つの炎へ意識を浸透させていく
真っ暗な闇の中
アドラの感情が渦巻き、過去の光景が垣間見る
(この炎はアドラの力というより
闇の力そのものだな
アドラの記憶等を糧にしているのか)
更に奥へと進むと
手を掴まれた感覚があった
「まてよ」
「!」
実際に手を握られたのではない
クライヴの意識を何者かが止めたのだ
クライヴは後ろを振り向くように目線をむけると
闇の中でまだ人の姿のアドラだ
「これ以上行くな
あんたには不利だ」
「・・・どういう意味だ?」
アドラの感情そのものがクライヴに語りかけているのだ
嘘なのかどうか、とてもわかりやすい
目の前のアドラは本気でクライヴを止めていると
すぐに理解できた
だからこそ、更に理由を知る必要がある
「あんたの事はヴァンさんや
この力を通じてある程度の事は知ってる
・・あんた、闇の神の操り人形なんだろ?」
闇の神ーーーー
その呼び名にクライヴはピクっと眉間に皺がよった気がした
「当たりだよな
だったらこの先に行けば神様の力が濃くなった領域だ
俺は受け入れたからこうしてられるが
あんたは無理だ
インドリームを守ろうとしてる時点で
闇の力を受け入れてないし、闇からも拒まれる
そうなればまた壊れるぞ」
見透かしたように話すアドラ
だが、クライヴは冷静にいれた
例えどんな事があっても
もう壊れるような脆い自分ではないとわかっていたのだ
この先が本当に危険な領域だとしても
頼れる仲間も部下もいる
忠告するアドラを無視し、クライヴは更に奥へと進んでいくのだった